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2013年8月12日 月曜日

大腸カメラ検査の有用性について

院長による講演資料
大腸カメラ検査の有用性について


大腸がん検診の現況と大腸内視鏡検査の有効性について、以前当院院長が講演した内容の一部をご説明いたします。

大腸がんとは結腸がんと直腸がんを併せたものです。


 

現在、日本人の疾患別死亡原因の第1位は悪性新生物です。

しかも増加傾向にあります。男性のがんの臓器別死亡頻度は、最近では肝臓がんを抜いて第3位です。


 

女性の臓器別がんによる死亡原因の第1位は大腸がんです。


 

また将来的には患者数も増加傾向にあるとされています。


 

一般的にがん検診で、死亡率減少の効果が確認された検査方法は、欧米の報告で大腸がんの便潜血反応検査と、乳がんのマンモグラフィー検査と、子宮頸がんの細胞診検査です。

他の検査は大規模な調査では死亡率の減少効果は実証されていませんが、それぞれがんの発見には有効な検査です。


 

便潜血反応検査とは便塊との接触で腸管の腫瘍の損傷からの出血を検出する方法です。

その感度ですが、基準値を下げすぎると病気もないのに陽性(偽陽性)になる頻度が増え、上げると真の病気が見逃される可能性があります。

従ってがん発見のスクリーニングとして最適な基準値として設定されています。



 

 

国の報告によると、皆さんが受けている、がん検診は要精検者(便潜血反応検査で陽性だった人)は7.1%で、その中で大腸カメラ検査などの精密検査を確実に受けた人は約60%で、その内、がんであった人は3.9%になります。

これが我が国の大腸がん検診の現状です。検査の精度及び精検受診者を高めることが課題です。


 

次は重要な点で、便潜血反応検査が陽性で精密検査(現在では大腸カメラ検査が主流です)を受けた人と受けなかった人で大腸がんによる死亡率の差が生じます。

便潜血反応が陽性であっても'痔のためだ'と思わないで確実に大腸カメ検査をお受け下さい。もちろん痔の方でも大腸腫瘍がある場合があります。


 

大腸がんの部位別の頻度は、お腹の左側のS状結腸と直腸で70%を占めます。


 

大腸ポリープには、問題のないポリープとがん化の可能性があり切除の対象となるポリープがあります。

切除の対象となるポリープは腺腫の一部です。


 

写真は有茎(背丈の高い)性の大腸ポリープです。
一般的なポリープです。


 

表面型の大腸腫瘍です。
最近この腫瘍が増える傾向にあります。


 

大腸ポリープのがん化は腫瘍の大きさと関係があります。

がんの合併は10mm以上で24.6%で20mm以上で35.8%と大きさにつれ比率が増大してます。

一方、10mm未満でも頻度は少ないですが、がんは存在しています。


 

大腸がんの発生は腺腫(ポリープ状のもの)から癌化してい仮説が主流です。

ですからポリープの切除ががんの予防につながります。


 

一方、腺腫からがん化するのではなく、正常粘膜から、直接発生するタイプがあります。

このようなタイプのがんは大腸がん検診の便潜血反応検査では陽性になりにくいです。


 

当院では最先端の内視鏡システムで検査を施行しており、詳細な観察が可能です。


 

大腸カメラ検査の時は、ご希望により、いわゆる麻酔薬の使用が可能です。よく使われる薬はセルシンという薬が一種の安定剤で、オピスタンは鎮痛剤です。

薬効のご説明をよくお受けになられたうえで対応させて頂きます。


 

当院の大腸カメラ検査は、できるだけ空気を入れずに'苦痛のない'患者様にご負担がかからないような検査を心掛けています。


 

大腸がんも内視鏡的切除が可能です。

リンパ節転移がないことが大条件です。
大きくなるとリンパ節転移を来しますので、がんが大腸の壁の浅い位置にあり、その場所に留まっていることが条件です。


 

大腸ポリープは全てががんになる訳ではなく、その一部に発がんの恐れがあります。

ですから放置しても問題のないポリープも存在します。従って適応を十分に考えた上で治療を行って下さい。


 

内視鏡的大腸ポリープ切除術(ポリペクトミー)は内視鏡を介して施行されます。

大腸の粘膜には神経はありませんので、切除時の痛みは全くなく、安全に行われます。


 

現在ではポリープ切除術の手技的には、いろいろな種類があり、腫瘍の性質や大きさなどにより選択されています。


 

ポリペクトミーは基本的な手技です。スネア(左の写真の輪っかのようなもの)をポリープに引っ掛けて、通電して切除します。ポリープは回収し病理検査を行います。

また切除後の粘膜は白色調に変化をしています。

問題なくしばらくして改善しますが、ごく稀に出血や腸管の壁に穴が開く偶発症が生じる場合がありますので担当医にご相談下さい。


 

背丈の低いポリープの場合は粘膜に液体を注入して盛り上げて切除をします。出血予防でクリップで傷口をふさぎます。

これは特に人体に影響はなく、通常は自然に脱落し便と一緒に出ます。


 

大腸がんも、入院せずに内視鏡切除のみで完治できます。


 

傷口をふさいだクリップです。非常に有効な処置具です。


 

最近では大腸がんの深さを客観的に評価する上で、超音波内視鏡検査や拡大内視鏡検査が有効です。


 

また、最先端の機器では超拡大内視鏡検査で腫瘍の表面粘膜の細胞レベルの評価が可能か、その正確性を、一部の大学病院レベルで調査中です。


 

WHOのがんの原因と予防の調査では、大腸がんの原因でほぼ確実なものは、赤身肉、アルコールです。

また肥満や生活習慣病も可能性があります。一方、減少させる確実な因子は運動です。





 

 

大腸がん検診、または大腸内視鏡検査をお受けになられたい方、その他のご質問のある方は当院へお問い合わせ下さい。


 

 


 
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投稿者 二子玉川メディカルクリニック